たらば日記

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たらば感想文 織田作之助「競馬」

今日の結果

東京新聞杯:○-無-無 不的中!

きさらぎ賞:◎-△-消 不的中!

 

今週も払い戻しなし!

 

も、もうダメだあ・・・。

 

さて競馬に負けた日曜の夜は死んだ目で適当にネットの海を漂っているのですが、今日たどり着いた織田作之助の競馬という短編小説が面白かったので感想文を書きました。

 

https://www.aozora.gr.jp/cards/000040/files/452_42023.html

 

↑ここから30分くらいで読めます。

以下、ネタバレ注意。(70年前の作品だけど・・・。)

 

 

 

 

 

 

1.競馬の解像度が高すぎる。

 

>前の晩自宅で血統や調教タイムを綿密に調べ、(中略)出馬表に赤鉛筆えんぴつで印をつけて来たものも、場内を乱れ飛ぶニュースを耳にすると、途端にまどわされて印もつけて来なかったような変梃へんてこな馬を買ってしまう。

 

わかる。

 

>もう競馬はやめたと予想表は尻にいて芝生しばふにちょんぼりとすわり、残りの競走レースは見送るはらを決めたのに、競走レース場へ現れた馬の中に脱糞だっぷんをした馬がいるのを見つけると、あの糞のやわらかさはただごとでない、昂奮剤こうふんざいのせいだ、あの馬は今日きょうはやるらしいと、慌てて馬券の売場へけ出して行く。

 

わかる。(フンの下りは知らんけど。)

 

>この競走レースは穴が出そうだと、厩舎のニュースをまわったが、訊く度にちがう馬を教えられて迷いに迷い、(中略)知人に会い、何番にするのかと訊けば、五番だという。そうか、やはり五番がいいかねと、五番の馬がスタートでひどく出遅れるくせがあるのを忘れて、それを買ってしまうのだ。

 

わかる。

 

70年前から人は変わらぬ・・・。

 

 

2.純粋にストーリーが面白い。

 

1番を買い続ける寺田の過去、競馬への複雑な思い、同じく1番を買い続けるジャンパーの男との邂逅、小倉で有り金全てを賭けた最終レース・・・この濃厚なストーリーが30分で読める疾走感がたまらない。

 

 

3.寺田の言動が俺に刺さる。

 

寺田は京大を出て中学の教師になった真面目な男だが、同僚に無理やり誘われて高級クラブに行き、一代に一目惚れ。その後毎晩一代目当てにクラブに通いだす。

 

ウグッ

 

自分が風俗に初めて行ったのは会社の先輩に連れられて、以降月1で飛田に行っていた・・・。

 

また寺田は競馬にいいイメージがなかったが、仕事の付き合いで競馬に誘われる、そこで馬券が当たり、競馬にのめりこんでいく。

 

ウグゥッ

 

自分が競馬を始めたきっかけはまあウマ娘なんだけど、のめりこんだきっかけは間違いなく一昨年のオークスでユーバーレーベン-ハギノピリナのワイドを当ててから。

 

 

寺田、お前は俺なのか・・・?

 

以上、読書感想文でした。

にしても70年前の作品でも現代人に刺さるって、作家もすごいなあと思う所存。今後もたまには青空文庫を読もう。